冬に悪化しやすい不調とツボケア

冬になると「肩こりが強くなる」「眠りが浅い」

「とにかく冷える」そんな声が一気に増えます。

東洋医学では、この時期に体調を崩しやすいのは

季節のエネルギー「寒」によって

“気・血・水”の巡りが停滞するからと考えます。

この記事では、冬に悪化しやすい3大不調の原因と

今日からできるツボケアを1つずつご紹介します。

〈冬に不調が出やすい理由〉

東洋医学で冬は「腎」の季節。

腎は

◎生命力

◎免疫力

◎水分代謝

◎冷え・むくみ

◎メンタルの安定

に関わる重要な臓です。

寒さが強まると腎が消耗し、

→ 気血の巡りが滞る

→ 身体を温める力が弱まる

→ 筋肉がこわばる

という悪循環が起こります。

その結果、肩こり・不眠・手足の冷え

が一気に表面化しやすくなるのです。

まず1つ目は、冬に悪化する肩こりの原因とツボ。

肩こりの東洋医学的原因

・寒さで筋肉がギュッと縮む

・血(けつ)の巡りが滞る

・腎が弱り“腰〜背中〜肩”の流れが固くなる

・ストレスで気が上に停滞する

〈おすすめツボ〉

▶ 風池(ふうち)

首の後ろのくぼみ。目の疲れ・頭痛にも◎

→ 冷えで固まった首肩の血流が改善

▶ 肩井(けんせい)

肩の1番盛り上がるところ。

→ 肩の重だるさ・片頭痛に

▶ 合谷(ごうこく)

手の甲の親指と人差し指の間。

→ 気を巡らせて肩のこわばりを緩める

次回は2つ目をご紹介します♪

喉の痛みに効く東洋医学ケア

東洋医学では、喉の痛みは主に 「風熱(ふうねつ)」 や

「燥邪(そうじゃ=乾燥)」 が原因とされます。

◎風熱タイプ:急な喉の痛み・腫れ・発熱・声がれ

◎燥タイプ:乾燥でヒリつく・声が出にくい・咳が出る

それぞれに合う“食べるケア”をご紹介します。

1. ハチミツ(蜂蜜)

〈効果〉

◎肺を潤して、喉の乾燥・ヒリつきに効く

◎炎症をやわらげる

◎咳を静める

〈使い方〉

→お湯に溶かす

→生姜が辛いときは「梨+ハチミツ」で

優しい潤いドリンクに

2.梨(生・コンポート)

〈効果〉

◎強力な潤肺作用(喉の乾燥に最適)

◎乾燥性の咳・声がれに

◎熱を冷まして炎症を鎮める

〈簡単レシピ〉

→梨を薄く切ってハチミツをかける

→温かい白湯で煮てコンポートにすると胃にも優しい

3. 百合根(ゆりね)

〈効果〉

◎肺をしっとり潤し、乾燥による喉痛・空咳に効く

◎精神を落ち着かせる作用もあり

◎秋冬の乾燥ケアにぴったり

〈食べ方〉

→スープに入れる(優しい味で食べやすい)

→さつまいも、豆乳と合わせてポタージュも◎

4. そのほか喉に良い東洋医学食材

・銀耳(白きくらげ):最強の潤い

・麦門冬(ばくもんどう)茶:乾燥咳に

・大根:喉の熱を冷やし、痛みを鎮める

・金柑(きんかん):咳と痰をやわらげる

〈逆に避けたいもの〉

喉が痛いときは以下が悪化させやすいです。

・揚げ物・辛いもの(熱+熱で炎症UP)

・アルコール(乾燥を悪化)

・砂糖多めのお菓子(熱をこもらせる)

乾燥が強い季節は喉の痛みを感じることが多いです。

是非参考にしてみてください♪

冬のよもぎ蒸し効果

冬は東洋医学でいう「腎」が弱りやすく、

冷え・むくみ・生理トラブル・メンタルの

落ち込みが出やすい季節。

よもぎ蒸しは「温め」「巡り」「湿の排出」

に優れるため、冬との相性が抜群です。

① 深部まで温めて“腎”を補う

下腹部・腰・子宮周りは腎のエリア。

ここが冷えると、生理痛・PMS・疲れやすさ

に影響します。

よもぎ蒸しは蒸気が下半身に集中して当たるため、

深い冷え(内臓冷え)を改善しやすいのが特徴。

② 血流UP → 生理トラブルの緩和

冬は寒さで血流が悪くなり、生理痛が強くなりがち。

よもぎ蒸しの温熱と

よもぎの「温経(温めて巡る)」作用で、

骨盤内の血行が改善 → 生理痛やPMSの軽減に役立つ

と考えられています。

③ 冷え+湿気で重だるい体を軽くする

冬は代謝が落ち、体内に“湿”が溜まりやすい季節。◎むくみ

◎体が重い

◎下半身太り

などに繋がりがち。

よもぎ蒸しで汗をかくことで、余分な水分(湿)が

抜けて軽さが出るのが冬の大きなメリット。

④ 免疫力アップ(気を補う)

冬は外邪=寒邪に負けやすく、

風邪をひきやすい時期。

身体を温めて巡りを良くすると、

東洋医学で言う“衛気(バリア)”が強まり、

風邪予防や体調管理に役立つと考えられます。

⑤ メンタルの落ち込みにも

冬は日照時間が少なく「気」が沈みやすい季節。

よもぎの香りには

「理気(気を巡らせる)」作用があり、

蒸されながら香りを吸うことで

イライラ・落ち込み・モヤモヤの改善にも◎

これからもっと寒くなり、冷えも強くなります。

そんな時におすすめなよもぎ蒸し♪

体の外側も内側もしっかり温めて、

この季節を元気に乗り越えましょう^^

むくみは水の巡りがカギ

東洋医学では、

身体の中には「気・血・水」が巡っていて、

そのうち 水(すい) は以下のような働きをします。

◎体の潤いを保つ

◎汗・尿・リンパのように余分な水分を外へ出す

◎体温を調節する

この 水の流れが滞る と、脚・顔・指などに

溜まって“むくみ”として現れます。

〈水の巡りが悪くなる主な原因〉

① 脾(消化力)の弱り

水分の処理は「脾(=胃腸の力)」が担当。

脾が弱る → 水をうまく“気化”できない

→ 体に停滞する。

→甘いもの、冷たい飲み物、

疲れ、ストレスで悪化しやすい。

② 腎(排出力)の弱り

腎は水を“出す”担当。

腎が弱る → 余分な水分が外へ出ず、体に残る。

→冷え・加齢・睡眠不足で弱りやすい。

③ 運動不足で気の巡りが弱る

気は「水を動かすエネルギー」。

気が不足すると、水を流す力が足りなくなる。

→座りっぱなし・在宅ワークの人に多い。

〈水の巡りをよくするセルフケア〉

● 1. 足首を回す(特に内回し)

腎経・脾経が通るため、むくみ改善に即効性あり。

● 2. くるぶし上の「三陰交」を温める

ホットタオル、お灸なら尚良し。

脾・肝・腎をまとめて整える最強ツボ。

● 3. 胃を冷やさない

常温〜温かい飲み物に。冷食を減らす。

● 4. 夜は足を心臓より少し高くする

滞った水が戻りやすくなる。

なぜ浮腫むのか分からないので、

対処法をよく聞かれます!

是非参考にしてみてください♪

寝る前の3分陰陽バランスルーティン

東洋医学では、私たちの心と身体は

「陰」と「陽」のバランスで成り立っていると考えます。

昼間は“陽”が優位、

夜は“陰”が優位になるのが自然なリズム。

でもストレスやスマホ刺激、

考え事が多い日が続くと、

夜なのに“陽”が高ぶったままになり、

睡眠の質が低下したり、疲れが取れにくくなります。

そこで今日から取り入れられるのが、

寝る前3分の陰陽バランス調整ルーティン。

深い眠りと翌朝のスッキリ感に直結します。

①【30秒】呼吸で「陰」を満たす

ゆっくり息を吐くことがポイント。

◎4秒吸う

◎8秒かけて吐く

◎これを5回

副交感神経が優位になり、

“陰”の状態へ切り替わります。

胸や腹の緊張がふっと抜けていくのを感じるはず。

②【1分】みぞおちをゆるめて陽の高ぶりを落とす

ストレスで張りやすい場所が“みぞおち”。

ここが固いと「陽が上にあがる」状態になり、

頭が冴えて寝つきにくくなります。

◎みぞおちに手を当てて、

息を吐きながらゆっくり円を描く

◎痛気持ちいいくらいの弱い圧でOK

“陽”がスーッと降りていくイメージで。

③【1分半】ツボ刺激で陰陽のスイッチを整える

特に夜に整えたいツボはこの2つ。

●太衝(たいしょう)

足の甲、親指と人差し指の骨の間のくぼみ。

肝の気を整え、

イライラや考えすぎで高ぶった“陽”を落ち着ける。

●三陰交(さんいんこう)

内くるぶしの上、指4本分の位置。

陰を補い、血流を促して体を内側から温める。

両方を10〜15秒ずつ、

ゆっくり押して離すのを数回繰り返すだけでOK。

たった3分でも、

陰陽のスイッチが整うと眠りの深さが変わります。

「寝つけない日が続いている」

「夜に頭が冴えてしまう」

という人ほど効果を感じやすいルーティンです^^

是非試してみてください♪

五行別メンタルの整え方

東洋医学の、五行の性質別メンタルの整え方をご紹介します!

〈木(肝)タイプ〉

イライラ、ストレスが溜まりやすい

肝は気の巡りを司ります。

気が滞ると怒りっぽくなったり、首肩が張りやすくなります。

◎整え方

→深呼吸、ストレスで気を巡らせる

→柑橘類、ミント、緑の食材

→運動で汗をかいてリセット

→パソコン作業を30分ごとに中断

◎おすすめツボ

太衝:足の甲、親指と人差し指の間

気滞、イライラに。

〈火(心)タイプ〉

落ち着かない、気分の波が大きい

心は精神活動全般を司り、血と深い関係があります。

◎整え方

→寝る前のスマホ時間を短縮

→刺激物、カフェインを控える

→赤い食材(なつめ、クコ、トマト)

→ゆっくり温かいお茶を飲む

◎おすすめツボ

神門:手首の小指側

不安、緊張、心配で眠れないときに。

〈土(脾)タイプ〉

考えすぎる、不安になりやすい

脾は“思考”と関係し、

弱るとグルグル思考や食欲不振になりやすいです。

◎整え方

→温かい食事を摂る

→砂糖の摂りすぎに注意

→リストを書いてタスクを見える化

→朝の軽い散歩

◎おすすめツボ

足三里:膝下外側

胃腸強化、不安感に。

〈金(肺)タイプ〉

落ち込みやすい、孤独感

肺は“気の出入り”=呼吸を司ります。

呼吸が浅い人ほど悲しみやすい傾向があります。

◎整え方

→1分の呼吸法(4秒吸って、6秒吐く)

→掃除、片付けで気の流れを良くする

→白い食材(大根、白ネギ、梨)

→深い笑いで肺の気を開く

◎おすすめツボ

列欠:親指側の手首の上

気分が沈む、呼吸が浅いときに。

〈水(腎)タイプ〉

不安感、自身の低下、疲れ

腎は生命エネルギーの源。

弱ると「怖い」「不安」「やる気が出ない」につながります。

◎整え方

→早寝を心がける

→黒い食材(黒豆、ひじき、黒ごま)

→冷えとり(腰、足首を温める)

→誰かに話して気を補う

◎おすすめツボ

太渓:内果とアキレス腱の間

気分低下、不安感に。

みなさんはどのタイプに当てはまりましたか?

自分に合ったケア方法で、精神を安定させましょうね♪

更年期のゆらぎを整える養生

更年期の不調は【腎】のエネルギー低下から。

東洋医学では、更年期のトラブルは、

【腎】の力がだんだん弱くなることで起こると考えます。

腎は、

◎ホルモンバランス

◎生命力の源

◎自律神経

◎体の水分代謝

をつかさどる重要な臓です。

更年期に多い、

・のぼせ

・ほてり

・汗が止まらない

・不安感

・耳鳴り

・冷えとのぼせが同時にある

などは、腎のエネルギー不足で

「陰陽のバランス」が乱れることで起きると考えます。

〈更年期におすすめのツボ〉

● 三陰交(さんいんこう)

更年期の定番。ホルモンバランス、自律神経に働く。

足の内側、くるぶしの指4本上。

● 太渓(たいけい)

腎のツボ。のぼせ・ほてり・冷えに。

内くるぶしとアキレス腱の間。

● 気海(きかい)

気を補うツボ。疲れやすい人に。

おへそから指2本下。

→ 温めるか、軽く押すだけでOK

〈毎日の習慣でできる“ゆらぎケア”〉

・夜11時~1時は腎のゴールデンタイム

→ できるだけ寝る

・カフェインの摂りすぎに注意

・湯船に10分

・呼吸を深く(浅い呼吸は自律神経を乱す)

・スマホを寝る前1時間控える

・体を締めつけない服を選ぶ

・無理しない、予定を詰めすぎない

少しずつでも始めることができる養生で、

更年期のゆらぎケアをしてみましょう♪

冷えやすい原因と今日からできる対策

11月半ばになり、寒さ冷えが強くなってきました。

東洋医学の「冷え」は大きく3つのタイプに分かれます。

自分の冷えタイプに合わせた対策を探してみてください♪

①気虚タイプ(エネルギー不足の冷え)

〈主なサイン〉

→朝から疲れている、すぐ疲れる

→風邪をひきやすい

→食後に眠くなる

→むくむ

→手足だけでなく全身が冷える

〈原因〉

過労、睡眠不足、食事の偏り、

ストレスで消耗しやすい。

〈おすすめ食材〉

米、餅、さつまいも、かぼちゃ、鶏肉、蜂蜜、生姜

〈生活習慣〉

・朝食を抜かない

・ゆっくり噛んで食べる

・30分の軽いウォーキングで気を巡らせる

②血虚タイプ(血の不足による冷え)

〈主なサイン〉

→手足が冷えるけど、温めると気持ちいい

→立ちくらみ

→肌や髪が乾燥

→生理が軽い、周期が遅れがち

→寝つきが悪い

〈原因〉

栄養不足、ダイエット、睡眠の質の低下、過労。

〈おすすめ食材〉

レバー、ひじき、黒ごま、黒豆、ほうれん草、なつめ

〈生活習慣〉

・夜更かしを避ける

・スマホ、PCで目の使いすぎを休める

・深呼吸で巡りを助ける

③陽虚タイプ(体のエンジンが弱い冷え)

〈主なサイン〉

→下半身が特に冷える

→冷えるとお腹や腰が痛くなる

→トイレが近い

→顔が白い

→温めてもすぐ冷える

〈原因〉

慢性的な疲労、冷たいものの取りすぎ、

加齢、先天的体質。

〈おすすめ食材〉

生姜、ねぎ、羊肉、鶏肉、味噌、発酵食品、かぼちゃ

〈生活習慣〉

・湯船に10〜15分浸かる

・腰、お腹を冷やさない

・冷たい飲み物を控える

これから体が冷える季節ですが、

それぞれの体質に合わせた養生をしてみてください^^

寒い冬を乗り越えましょう!

陰陽のバランスを整える暮らし方

「なんとなく疲れやすい」「気分の波が大きい」「冷えとほてりが交互にある」

そんな不調は、東洋医学でいう“陰陽のバランス”が崩れているサインかもしれません。

どちらかが強すぎても、

弱すぎても不調につながると考えます。

今回は陰陽の特徴と、バランスを整えるための生活法をお伝えします。

【陰と陽の基本】

陰→体を休める、潤す

不足すると、乾燥・のぼせ・不眠・イライラ

陽→体を動かす、温める

不足すると、冷え・倦怠感・むくみ・気力低下

〈陰を補うケア〉

◎食事

・体を潤す:梨、きくらげ、豆腐、はちみつ、黒ごま

・熱を冷ます:トマト、キュウリ、緑茶

◎生活

・夜は早めに休む(22時までに就寝)

・スマホ、PCの光を控えて「陰の時間」を作る

・深呼吸、瞑想、ストレッチなど静かな活動を

〈陽を補うケア〉

◎食事

・体を温める:生姜、ねぎ、シナモン、黒豆、羊肉

・消化を助ける:山椒、みかんの皮(陳皮)

◎生活

・朝日を浴びて体を動かす

・冷たい飲み物、生野菜を摂りすぎない

・笑う、人と話す時間を増やす(陽気を巡らせる)

人間の体のバランスの基本は陰陽のバランスを整えることです。

陰陽のバランスを整えることは、

体だけでなく心にも穏やかさを取り戻すこと♪

冷えすぎず、熱くなりすぎず、

自然のリズムに寄り添う暮らしがあなたを一番綺麗にします^^

冬の薬膳茶

季節の変わり目は、体調が崩れやすい時期。

そんな時期におすすめなのが、

体質や季節に合わせた「薬膳茶」

今回は冬におすすめの薬膳茶をご紹介します♪

冬の薬膳茶「黒豆ナツメしょうが茶」

キーワード:腎、冷え、エネルギー補給

◎黒豆→腎を補い、冷えに強くする

◎ナツメ→血を補い、心を落ち着ける

◎生姜→体を温める

〈レシピ〉

黒豆大さじ1(軽く炒めて香ばしく)+ナツメ1個+生姜スライス2枚→熱湯を注ぎ、10分蒸らす。

冷え、疲れ、やる気が出ないときに♪

普段の養生で、季節風邪にかからないよう準備しておきましょう^^

簡単にできるので、是非お試しください!